PICマイコン 開発環境設定(その4)

その4では、3に続き、その2で作成した簡単なプログラムを
その3とは違う方法でPICマイコンに書き込み、実行してみます。

PICマイコンの開発環境を設定は、
 ・その1:プログラミング環境の設定
 ・その2:簡単なプログラムを書いてみる
 ・その3:PICマイコンへの書き込み1
 ・その4:PICマイコンへの書き込み2
の4部に分けて記載しています。

PICマイコンへの書き込み、実行ですが、
 ・その3:MPLAB X IDE と PICkit
 ・その4:MPLAB X IPE と PICkit、PIC K150と専用ソフト
を利用したものを記載しています。

先ずは、MPLAB X IPE と PICkit、書き込み回路を
使用した書き込みです。

使用する PICkit3 と書き込み用自作回路は、
その3と同じものです。

回路図1
回路図1

  この回路図の作図には fritzing を利用させて頂いております。
  https://fritzing.org/home/

ブレッドボードの回路図1
ブレッドボードの回路図1

MPLAB X IPX での書き込みも、
基本的には、MPLAB X IDEと同じですが、
こちらでは、ソースの編集作業は出来ません。
従って、既にコンパイル、ビルドが完了している、
生成済みのHEXファイルが対象になります。

1.書き込み回路に、PICマイコンをセットします。
 このとき、向きに注意です。

PICマイコンのセット
PICマイコンのセット

2.PICkit をUSBケーブルでPCと接続します。

3.PICkit を書き込み回路と接続します。

 PICkitと回路の接続
PICkitと回路の接続

4.MPLAB X IPE を起動します。
 このとき、Tooo: 欄のツールが選択されていることを確認します。
 選択されていない場合は、選択欄から選択します。

MPLAB X IPE の起動
MPLAB X IPE の起動

5.書き込み回路に電源を供給します。
 私の場合、書き込み回路へは外部電源で供給しますので、
 PICkit からの電源供給は行いません。 

 補足.電源を PICkit から供給する場合は、
  ・メニュー「Settings」→「Advanced Mode」を選択します。

補足.電源の設定1
補足.電源の設定1

   Advanced Mode ログイン画面が表示されますので、
   Password:欄に、”microchip”と入力し、
   〔Login〕ボタンをクリックします。

補足.電源の設定2
補足.電源の設定2

  ・メイン画面が、Advanced Mode 画面に変わります。
   画面、左に表示されているメニューボタンの中から、
   ”Power”をクリックします。

補足.電源の設定3
補足.電源の設定3

  ・Power Settings タブ開き、Power Settings 画面が表示されます。
   Voltage options 欄の、
   Power target circuit from PICkit 3 項目にチェックを付け、
   Voltege Level の電圧値を確認します。
   画面、左に表示されているメニューボタンの中から、
   ”Operate”をクリックします。

補足.電源の設定4
補足.電源の設定4

6.Device and Tool Selection 画面の、
 ・Famliy : Mid-Range 8-bit MCUs (PIC10/12/16/MCP)
 ・Device : PIC 12F683
 ・Tool : PICkit3 s NO:xxxxxxxxxxx
 をPICマイコン、PICkit に合わせて選択します。
 選択が完了したら、
 〔Connect〕 ボタンをクリックします。

PICマイコン種別設定
PICマイコン種別設定

 下画面窓に、Output - IPEタブが表示され、
 窓内に、PICマイコンからの取得情報が表示され、
 書き込み準備の完了です。

取得情報の表示
取得情報の表示

7.画面中段(アイコンの並んでいる下)の、
 Hex File : 項目の 〔Brwse〕 ボタンをクリックします。

ファイル選択1
ファイル選択1

 開いたファイル選択画面より、
 書き込み対象のコンパイル済みのHEXファイルを選択します。
 (その2で作成した、”f683_led_101.X.production.hex”)

ファイル選択2
ファイル選択2

 下画面窓に、Output - IPEタブの窓内に、
 Loading 情報が表示されます。

ファイル情報表示
ファイル情報表示

8.画面中段のアイコンより、
 〔Program〕(下矢印に付いた)アイコンをクリックします。
 下画面窓に、Output - IPEタブの窓内に、
 書き込み情報が表示されます。

書き込み処理
書き込み処理

 ※このとき、電圧に関する警告が表示されますので、
  電圧値を確認し、〔OK〕ボタンをクリックします。

電源警告表示
電源警告表示

これで書き込みは完了です。

続いて、
専用の書き込みソフトで書き込みボードの
PIC K150を使っての書き込みです。

書き込みボード (PIC K150)
書き込みボード (PIC K150)

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などの製品は、専用の書き込み用基板(ボード)と、
専用の書き込みソフトを使用します。
※専用ソフトは、一般に製品に付属しているか、
 Webページでダウンロードできますので
 その説明に従ってインストールしておきます。

では、PIC K150での書き込み手順です。
1.PIC K150とPCをUSBケーブルで接続します。

2.書き込みソフトの起動
 ”microbrn.exe” を起動します。
 (PIC K150の場合、”microbrn.exe”というソフトを使用)

”microbrn.exe” の起動
”microbrn.exe” の起動

 ※PIC K150が接続されていない場合や、
  COMポートの設定が適切でない場合はその旨の
  メッセージが表示されます。

未設定起動時の警告表示
未設定起動時の警告表示

3.PIC K150接続のCOMポートの設定
 起動した、microbrn 画面の、
 メニュー「File」 → 「Port」 を選択します。

ポート設定1
ポート設定1

 Sirial Port Change 画面で、
 PIC K150 の接続ポート番号(COM3→3)を入力し、
 〔OK〕ボタンをクリックします。

ポート設定2
ポート設定2

 ※ポート番号が分からない場合は、
  Windowsメニューを右クリック → デバイスマネージャー(M)
  を選択し、デバイスマネージャーの画面で確認します。

デバイスマネジャー画面
デバイスマネジャー画面

4.対象のPICマイコンを選択
 microbrnの画面の右下窓の、
 Chip Selector 選択より、ターゲットの
 PICマイコン (12F683) を選択します。

PICマイコン種類設定
PICマイコン種類設定

5.PICマイコンの差し込み位置の確認
 画面の右上窓の、ICソケットの画像の位置に確認して、
 PIC K150本体の同位置に、PICマイコンをセットします。

ICソケット位置表示
ICソケット位置表示
PICマイコン ICソケット位置に設定
PICマイコン ICソケット位置に設定

6.対象HEXファイルの選択
 microbrnの画面の下左窓の、
 〔Load〕ボタンをクリックします。
 開いたファイル選択画面より、
 書き込み対象のコンパイル済みのHEXファイルを選択します。
 (その2で作成した、”f683_led_101.X.production.hex”)

HEXファイル選択1
HEXファイル選択1
HEXファイル選択2
HEXファイル選択2

7.書き込み処理
 画面の下中央窓の、
 〔Program〕ボタンをクリックします。
 確認画面が表示され、
 〔Yes〕をクリックし、
 書き込み完了画面が表示され、
 〔OK〕をクリックします。

書き込み処理
書き込み処理

これPIC K150での書き込みは完了です。
書き込み処理だけなら、これが一番簡単に感じます。

書き込みに失敗した場合、エラーメッセージが表示されます。
HEXファイル、接続、PICマイコンのセット位置などの再確認をします。

書き込みに失敗した場合のエラーメッセージ1
書き込みに失敗した場合のエラーメッセージ1
書き込みに失敗した場合のエラーメッセージ2
書き込みに失敗した場合のエラーメッセージ2

では、PICマイコンをその2の回路に戻して電源を供給します。
LEDが点滅すれば、プログラミングと書き込みは成功です。

その2 LED点滅回路図1
その2 LED点滅回路図1
その2 LED点滅回路図(ブレッドボード)
その2 LED点滅回路図(ブレッドボード)

本来の回路(LED点滅)+書き込み回路を組んだ
ブレッドボードでも書き込みと実行してみました。
※電源供給は、PICkit ではなく、
 回路への外部電源で行いました。

本来の回路(LED点滅)+書き込み回路 での動作確認
本来の回路(LED点滅)+書き込み回路 での動作確認